2012年02月25日

聖なるGenet

嘆きの壁の向こうに彼の苦悩を見た。
彼の周りには聖なる殉教者としての
噂が 絶えないが、彼の苦悩の本質は
其処にある。
彼は常に白い影に怯え
弱者の道徳の壁をすり抜けた。
手のひらにさえ、余る程の手グセの
悪さを彼は愛さずにいられなかった。
上品な詩人や哲学者には、自然の巧妙な罠の前で、己の無知を露呈した。

自然の恩恵を獲得した
野蛮な臆病者の諦観を胸に
孤独の徒を慰める彼の苦悩は
想像を絶する。
愛を否定しながら、愛を渇望する
不遜なる矛盾が 、彼の存在を存在
たらしめた?
異教の愛は孤独な異邦人を癒す事は
なく、偏狭な愛は深く暗い揺り籠へ
産声を掻き消され、
傲慢な慈愛は重力を失いかけ
憐れみの橋を渡れずに路頭に迷う。
橋の下の聖なる信念が、
彼の大いなる野望であり、
存在を存在足らしめる術であった。
夜明け前の十字軍は規範を求む!
自然と擦り切れた彼の足は
痛々しいが、
悲しみを宿す事無く進む兵士の様で
孤高なる異端の威厳を胸に進みゆく。
カルマは彼を置き去りに、
独り歩き出し、来世の墓穴をほる!
あぁ   ジュネよ  僕は貴方の様な
野蛮が大好きだ!




ラベル:Genet
posted by katu at 21:50| Comment(4) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ああ 光は慈愛なり

不健康な生活者の頭上に
不健康な夏の太陽が容赦無く降り注ぎ
慈愛に満ちた光が僕の背中に
欺瞞と矛盾に満ちた陰影を宿す頃

現実の壁は一瞬で消え去り
感覚は退屈な日常を拒絶し、 遠い彼岸へと誘った。

其処は、何処か懐かしい様な
暖かな光に包まれた牧歌的な世界
地上の陰影も届かない
愛に満ちた世界
時空など存在せず、恥らう術も知らないニンフ達の歌や踊りが軽やかに
宙を舞い 、
逸楽に興を獲た純粋性が、嘆きの壁をすり抜ける、存在は存在の意味すら
持たないまま
記憶の壁にもたれながら
忘却の一夜を過ごすが、
ふと気がつくとニンフ達は、
姿を消し、  光だけが辺りを
強烈に照らしてる
僕は我が身の焼き尽くされる
恐怖を味ったが、
直ぐに恐怖は収まり、比類なき無限の慈愛に酔いしれ
憂国の徒に背を向け、地上の連鎖を断ち切った。

地上に咲く向日葵は軽く頭を擡げ
女の如く、未練の貞操を漂わせ
行き場の無い怒りを顕に
哀しみの錨を降ろす。

あぁ、 感覚は強烈な光の中で
思いがけない変容を体験し
悪の翼をもぎ取られ
喜びの果てに全ての悲しみを
置き去りに、独り断頭台へ向うのだ!
慈愛に満ちた光は、優しく全てを
受け入れる。
愛される事を忘れてた感覚は
思いがけない愛の訪れに
戸惑いを隠しきれず、
バッカスさながらに腐りかけの
葡萄酒を一気に飲み干し
偽りの愛を受け入れた。

あぁ  幻想は愛の奔流
孤独な者だけが知り得る、愛の王道
孤独は真実を知る道標
慈愛に満ちた太陽の光が
幻想と孤独を結びつける。
あぁ   太陽の愛よ何処へ向かうのか?


 
posted by katu at 21:48| Comment(3) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

無頼の灯り

 冬の夕暮れ時s26.jpg
 薄暗い闇が窓を射す
 僕は余りの寒さから
 白い蝋燭に火を灯す
 
  蝋燭の灯りは
  薄暗い部屋を
  仄かに照らし出し
  懐かしき友への郷愁を
  誘う

  馬鹿な輩の顔が
  蝋燭の灯りに照され
  桟敷の音を
  消し去った
 
  走馬灯の様な陰影が
  沈黙を破り
  無頼漢達の顔が
  白い壁に浮かんだ
  眉間に苦悶の皺を
  寄せては
  悔恨の涙を流してた
  
  それはまるで鬼子母神やマグダラの様な
  自らの改心を
  主に表すかのような
  真剣さだった?
 
  僕は懐かしさと
  恐怖に戸惑いながらも
  無頼の輩に
  哀れみを寄せるが
  彼らは無言を貫いた?

  僕は非情にも
  蝋燭の灯りを消し
  馬鹿な輩を追い出した
  薄暗い部屋には
  外灯の灯だけが
  仄かに白い壁を
  照らし、日常は健全を
  取り戻す

ラベル:無頼漢
posted by katu at 21:42| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする